アクリル製品は、その透明感や美しい光沢、さらには耐久性から、多くのシーンで活躍しています。オリジナルグッズや企業プロモーションアイテムとしても人気が高く、看板やディスプレイ、アクセサリーなどさまざまな用途に使用されています。これらのアクリル製品をより魅力的に仕上げるためには、どの印刷方法を選択するかが非常に重要です。なぜなら適切な印刷方法を採用することで、デザインの色彩や質感を最大限に引き出し、製品の完成度を一層高めることができるからです。

本記事では、代表的なアクリル印刷方法について詳しく解説し、それぞれのメリットや注意点、デザインの工夫についても触れていきます。品質を保つためのチェック方法や保護のポイントも紹介していますので、アクリルグッズ制作や購入の参考にしていただければ幸いです。

目次

1.アクリル製品の魅力と印刷の重要性

アクリルは加工がしやすく、デザイン性の高い製品が作れるため、オリジナルグッズや企業のプロモーションアイテムとして非常に適しています。そして、アクリル製品の魅力を引き出すためには、印刷方法の選定が大切なポイントとなります。適切な印刷を施すことで、デザインの色合いや質感が鮮やかに引き立ち、商品の価値が一層高まるからです。

アクリルグッズ例

より魅力的なアクリルグッズの制作に繋がったり、新たなアイデアが生まれるきっかけにもなったりするために、印刷方法について理解を深めていただければと思います。

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なっちゅ

印刷も奥が深いかもっちゅ!?

2.代表的なアクリル印刷方法

エントワーズでは、現時点で以下の印刷方法の実績があります。

アクリル印刷機械

(1) UV印刷

UV印刷は、UV(紫外線)照射によってインクを瞬時に硬化させ、鮮やかな色調を表現する印刷方法です。この方法ではインクが瞬時に乾くため、通常の乾燥時間が不要です。ただし、当社の工場ではさらに安定させるために1~2日間の乾燥時間を設けています。これにより、印刷が確実に乾燥し、カット時にも印刷面が綺麗に切れる仕上がりになります。
UV印刷はアクリルだけでなく、プラスチックや布製品にも印刷できるため、幅広い素材に対応できるのも大きなメリットです。

アクリルグッズ例

(2) グロス印刷(UVの特殊印刷)

グロス印刷は、印刷物の表面を保護しながら、独特の質感で高級感を演出できる印刷方法です。UV印刷面の上にグロス加工を施すことで、艶やかで深みのある仕上がりになります。
ただし、グロス印刷にはデメリットもあります。時間が経つと剥がれたり、埃が付着して見た目が損なわれることがあるため、保管環境に注意が必要です。また、傷がつきやすい面もあるため、取り扱いには気をつける必要があります。

グロス印刷の例

グロス印刷のグロスだけの印刷はこちら↓

グロス印刷を使ったアクリルグッズ

(3) レーザー彫刻

レーザー加工機は、アクリルをカットするだけでなく、出力を調整することで表面に彫刻を施すこともできます。これにより、ロゴやデザインの彫刻はもちろん、アクリル製のハンコを作成することも可能です。彫刻の深さも調整可能なため、表面の質感を自由にデザインできます。
ただし、レーザー彫刻には時間がかかるというデメリットもあります。アクリルのカットと比べて彫刻にはより長い加工時間が必要です。そのため、当社工場では特定の用途でのみレーザー彫刻を行っているのに留まっています。

レーザー彫刻で作ったハンコ
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なっちゅ

それぞれ良さがあるっちゅ!

3.アクリルのUV印刷の基本知識

UV印刷について詳しく説明します。

(1)両面印刷

アクリルの両面に印刷することで、奥行きのあるデザイン表現が可能です。この方法では、アクリルを裏返して両面にそれぞれ印刷します。アクリルを反転させる手作業が必要となり、コストは上がりますが、立体感のある仕上がりが得られます。例えば、表側に枠を印刷し、裏側にキャラクターを印刷すると、枠とキャラクターに距離感が生まれ、奥行きが感じられる仕上がりとなります。

両面印刷の例

(2)通常の印刷(片面印刷)

一般的なアクリル印刷は「片面印刷」という方法で行われます。これは、アクリルの片側だけに印刷するもので、印刷データは裏から見えるように反転が必要です。また、片面印刷の中には「片面3層印刷」という方法があり、これには表面、白版、裏面の3層を順に印刷します。これにより、通常の両面印刷のような仕上がりが可能です。

片面印刷の例

なお、一般的なアクリル素材は透明ですが、カラーアクリルを使用する場合は異なります。カラーアクリルは裏側から印刷すると表側に透けて見えないため、表側から直接印刷します。

カラーアクリルの紹介

(3)アクリル二枚重ね

片面印刷を施したアクリル板を二枚重ねることで、奥行きを表現する方法もあります。この方法では、二枚のアクリルが独立して動くため、視覚的な奥行きとともに動きの楽しさも加わります。奥行きを強調したい方におすすめの表現方法です。

アクリル二枚重ねの例
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以上を試したっちゅ!

4.アクリル印刷におけるデザインの工夫

通常、アクリルのカットではキャラクターとカットラインの間にわずかな隙間を設けるのが一般的です。この隙間が狭ければ狭いほど、カットの精度が求められるため、加工コストが高くなります。(例として、0.2mm程度の隙間を指定する場合もありますが、一般的には約2.5mm程度の隙間を確保すると問題ありません。)

カット説明

隙間が少ない方が好まれるケースもあり、その際に利用できるのが「デザイン上カット」です。これは、印刷部分をそのままカットラインとして使用することで隙間をなくす方法です。ただし、通常のカットよりもコストが高くなる点にご注意ください。隙間の調整はデザインの印象に大きく影響するため、コストとデザインのバランスを考慮した上で、候補として検討していただければと思います。
こちらのグッズは↓背景はカラーアクリルに白版印刷だけで、台座はカラー印刷のデザイン上カットの参考グッズです。

デザイン上カットのグッズ例
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なっちゅ

工夫もいろいろっちゅ!!!

5.品質チェックと保護方法

アクリルグッズは缶バッジなどと比べて傷がつきやすいため、OPP(透明包装)での保護が必須です。また、保管の際には、印刷面が直接ほかのアクリルに触れないように注意しましょう。印刷面が接触することで、傷や色移りの原因になる可能性があります。
さらに、ナスカンなどの金属パーツには錆が発生することもあるため、乾燥した場所での保管がおすすめです。これらのポイントを押さえることで、アクリルグッズを長くきれいな状態で保てます。

OPP例
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6.まとめ:多機能で便利な2wayアクリルグッズを手軽に作ろう!

アクリル製品は、その透明感や多様な印刷技術を活かして、個性あふれるデザインが可能な魅力的な素材です。UV印刷やレーザー彫刻といった印刷方法を使い分けることで、色鮮やかな仕上がりや立体感のあるデザインを実現できます。また、デザインに合わせてカットラインや隙間の工夫をすることで、より精密で美しい表現が可能になります。
さらに、アクリル製品を長く楽しむためには、適切な品質チェックや保護対策が重要です。OPP包装による保護や乾燥した環境での保管を心がけることで、製品の美しさと耐久性を保てます。
本記事が、アクリル製品の印刷方法やデザインの選択において役立つガイドとなり、より満足度の高いアクリルグッズの制作や購入につながることを願っています。

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印刷を楽しむっちゅ!

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