今年は、スポーツをテーマにしたグッズの試作に取り組んでいます。その理由は、冬のオリンピックやWBC、サッカーワールドカップなど、スポーツイベントが多く開催される年であることに加え、藤枝MYFCとあるスポンサーを今年も務めさせていただいているからです。

試作では、見てくださる方に少しでも楽しんでいただけるよう、ほんの小さなことでも工夫や挑戦を取り入れることを意識して制作しています。この記事を通して、ものづくりの面白さや、「グッズっていいな」と感じていただけたり、何かひとつでも気づきにつながれば嬉しいです。

今回は、カード型のアクリルスタンド(アクスタ)に挑戦しました。ただのアクスタではなく、表面加工にも工夫を凝らした仕様になっています。
アクリル加工のヒントとして、少しでもお役に立てれば幸いです。

目次

1.カード型アクスタを選んだ理由

スポーツグッズを考える際、今回は「形」に注目しました。 たとえば、 三角形であればペナント、 四角形であればチームバナー、 U字型であればチームエンブレム、 といったように、チームスポーツのグッズには、形によってイメージや用途が連想される一定の法則があると感じています。

そこで今回は、汎用性の高い「カード型」を採用しました。カードはスポーツに限らず、トレカとして、さまざまなジャンルで使われますが、プロ野球カードをはじめ、スポーツとの親和性も高く、スポーツグッズとして自然に取り入れられる形だと考えたからです。

今回は、そのカード型をアクリルスタンド(アクスタ)として表現し、少し斜めに立ち上がる仕様にすることで、飾ったときに立体感と存在感が出るよう工夫しました。シンプルなデザインですが、アクリルの加工を実験するのはいいのかなと思い、このようなデザインとなっています。

アクスタカード
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なっちゅ

カードっちゅ!!!

2.施策に込めた工夫と挑戦

今回は、アクリルの表面加工という新たな工夫に挑戦しました。具体的には、表面印刷とレーザー彫刻の2種類の試作を行いました。

アクスタカード、表面印刷とレーザー彫刻

加工を施すことで、その分コストは上がりますが、他社製品との差別化につながる可能性があります。実際、記念グッズを制作されるお客様からは、「せっかく作るなら、他とは違う特別なものにしたい」というご要望をいただくことが多くあります。

そうした声に応えられるよう、私たちはできるだけ多くの試作を重ね、成功も失敗も含めて経験し、その知見をお客様に還元していきたいと考えています。

アクスタカード、表面印刷とレーザー彫刻

自社工場を持ち、すぐに試作・検証ができることは、エントワーズの大きな強みです。いつでもお客様の期待にお応えできるよう、日々準備を重ねていきたいですね。

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コツコツっちゅ!!!

3.アクリル表面加工について

今回は、通常のアクリルグッズと同様に裏面へ片面印刷を行い、アクリルの表側に表面加工を施しました。 表面加工には、「表面印刷」と「レーザー彫刻」の2種類を採用しています。

ここでは、それぞれの特徴や仕上がりの違いについてご紹介します。

アクリルの表面加工種類

(1) 表面印刷

こちらは、裏側に通常の片面印刷を行い、表側には白版(白インク)のみを印刷する加工方法です。アクリルの両面に印刷が入る形になるため、アクリルの厚み分だけ奥行きが生まれ、立体感のある仕上がりになります。

立体的に感じられる理由としては、
・印刷面の間に影が生まれること
・見る角度によって、印刷の見え方が微妙に変化すること
などが挙げられます。

わずかな違いではありますが、片面印刷のみの場合とは異なる奥行きと存在感が生まれ、 さりげない差別化や、ワンランク上の仕上がりを演出できる加工方法だと感じています。

アクスタカード、 表面印刷

(2) レーザー彫刻

こちらは、裏側に通常の片面印刷を行い、表側をレーザーで彫刻し、表面を削る加工を施しています。実物を見比べると、文字の視認性という点では、(1)の表面印刷の方がはっきりと見えます。一方で、レーザー彫刻はアクリルそのものを削って表現するため、印刷では出せない「物理的な凹凸」が生まれます。

その結果、
・光の当たり方で表情が変わる
・触ったときに立体感を感じられる
という特徴が加わり、モノとしての存在感や高級感が大きく向上します。

見た目の派手さよりも、質感や特別感を重視したいグッズにおすすめの加工方法です。

アクスタカード、レーザー彫刻
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違いがはっきりっちゅ!!!

4.実際に作ってみた感想と気づき

今回試した表面加工は、「表面印刷」と「レーザー彫刻」の2種類です。実際に試作を行うことで、それぞれに明確なメリットとデメリットがあることに気づきました。

アクスタカード、「表面印刷」と「レーザー彫刻」

(1)表面印刷の特徴

今回は白版だけでしたが、表面印刷は、色やデザインがはっきりと表現できる点が大きなメリットです。一方で、印刷であるがゆえに、劣化しやすいという側面もあります。

アクリル素材そのものの欠点ではありませんが、印刷面は引っ掻きや摩擦に弱く、持ち運ぶ際に他の物とぶつかることで、印刷が剥がれてしまう可能性があります。そのため、使用シーンや用途に応じた選定が重要だと感じました。

アクスタカード、表面印刷

(2)レーザー彫刻の特徴

レーザー彫刻は、消えない・剥がれないという高い耐久性が最大のメリットです。また、細い文字や微細な線、繊細な模様表現も可能で、高級感や特別感のある仕上がりになります。
一方で、1点ずつレーザーで彫刻する加工となるため、印刷のような一括処理が難しく、加工時間が長くなりやすいというデメリットがあります。その結果、大ロット生産ではコストが上がりやすく、納期もやや長くなる可能性があります。

高級感や触感、特別感を重視したい場面では非常に有効な加工方法ですが、大量生産にはあまり向かないという側面も併せ持っていると感じました。

アクスタカード、レーザー彫刻

5.まとめ

今回の試作を通して、同じアクリル素材でも、加工方法ひとつで仕上がりや印象が大きく変わることを、あらためて実感しました。

表面印刷は、デザインの視認性や量産性に優れ、幅広い用途に対応できる加工方法です。一方、レーザー彫刻は、耐久性や高級感、特別感を演出できる反面、加工時間やコスト面での配慮が必要となります。それぞれの特性を理解したうえで使い分けることで、より目的に合ったグッズづくりが可能になると感じました。

こうした試作や検証を積み重ねることで、私たちはお客様の「こんなグッズを作りたい」という想いに、より具体的な形で応えられる存在でありたいと考えています。今後も、素材・加工・形状・デザインなど、さまざまな角度から挑戦を続け、ものづくりの楽しさや可能性を発信していきます。本記事が、グッズ制作を検討されている方や、ものづくりに携わる方にとって、少しでもヒントや気づきにつながれば幸いです。

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ひと工夫っちゅ!!!

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